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静かに珊瑚を見送った紅葉(ばば様)は、さも可笑しそうに声をたてて笑っていた。
それはいつも冷静な彼女にしてはとても珍しいことだった。
「ふっ…くくっ。…はぁ。あの子は本当にたいした子に育ったものだなぁ。1ヶ月も修業をしてないくせ、前よりをずっと速く術の発動が速くなっておる。私は真っ先にそのことを喜ぶのかと思うたが…」
そこで彼女はまた思いだいたように少し笑う。
「まさかそれよりも先に咲いた菫を愛でだすとは…。しかも私が術について指摘すれば、そういえばだと…くくっ。」
そう言った紅葉の笑顔には珊瑚に対する愛情が滲み出ていた。
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