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事件は終わるであろうが、何とも言えない喪失感が両肩にのし掛かってきていた。
師を失った悲しみ。
何年も関わらなくとも、二人は師弟であったのだ。
高桑は、弟子の捜査能力を最後まで高く評価し、そして恐れていた。酒出は、師から教え込まれた捜査手法を、今も極意とし受け継いでいる。
その関係性も、今回の事件を複雑にしていた。
「後の事を、頼む」
それが、板垣の聞いた高桑の最後の言葉であった。
酒出は、それを自分への言葉でもあったのだと、そう思う事にした。そうする事で、やりきれない気持ちに踏ん切りを着けたかったのだ。
師との永遠の別れを受けて。
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