エピローグ

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   板垣 慎一は、その後の取り調べでも担当捜査官が驚くほど、包み隠さず供述したという。その為、送検から裁判。そして、罪状の確定までの期間が短いと予想された。  事件の完全決着。  そこまで見えているが、刑事である酒出たちの手から事件は完全に離れた。  全ての捜査本部は解散。残るはマスコミへの対応と、各捜査員の賞罰の決定だけだった。注目されるのは、特に酒出の処分である。  犯人逮捕の功績はあるものの、例によって型破りな捜査により色々な問題が発生した。  とりわけ、茂原署での件。  特殊班や交渉班の面子を潰した上に、七年前の事件を公にする結果を出した。  これにより、県警本部長である桐谷と茂原署の署長。二人はマスコミへの対応として、謝罪会見を開くハメになる。  よって、厳重に処罰されるかに思われた。 「処分は、無しですか?」 「あぁ、逮捕の功績と諸々で、処罰は帳消しだ」
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