エピローグ

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   まずは、七年前の事件について。  警察の謝罪会見の後、汚名が晴れた二人に対して地元で動きがあった。  まずは、野久保 里美。  館山にある彼女の実家には、市民からの資金提供などもあり献花台が設けられた。そこに、沢山の花が手向けられているという。  真実を知らされなかったとはいえ、当時彼女を批判するような事を言った人々。それらが、罪滅ぼしに献花しているという話しもある。 「人間なんて、そんなもんだ」 「えぇ、罪悪感を抱くだけマシなのかもしれません」 「そうさ、当時マスコミのインタビューに答え。彼女をよく知りもしないで、汚ない言葉で罵った奴が何人もいた。そんな中には花も手向けず、当時の事なんか既に忘れてる奴もいるさ」 「耳が、痛いですね……」  美由紀は、それを放送する側の人間。  取材をし、それに人々が答えた映像の中。視聴者が、喜びそうなものを放送している。
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