第二章 説得

14/48
前へ
/569ページ
次へ
   メールを見た事務員の女性が、総支配人の部屋に呼ばれた。結婚式スタッフは、忙しい最中に呼ばれて不服顔である。  だが、室内の様子に顔色が変わる。  そう、いつの間に来ていたのか、警視庁の捜査員が多数詰めていたからだ。  代表し、副支配人が聞く。 「総支配人、何事ですか?」 「みんなも記憶にあると思うが、一週間前に千葉の不動産会社が爆破された事件」 「それは覚えていますけど、それが何ですか?」 「当ホテルが、ターゲットになってしまいました」  全員が驚愕する中、たった一人事務員の女性だけが「やっぱり」と呟いた。それから警視庁の警部と名乗る男が、一同に状況を詳しく説明していく。  そこは流石に、ホテルマンである。  誰一人として、取り乱したり逃げ出す者はいない。  そのような中、爆弾の捜索は始まっていた。警視庁特殊班爆弾処理係及び、警視庁捜査一課の捜査員が数十人。
/569ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2281人が本棚に入れています
本棚に追加