第二章 説得

18/48
前へ
/569ページ
次へ
   これは、使えるかもしれないと。 「それで、どんなイベントにします?」 「こういうのは、どうでしょう。結婚式に関するお客さまに、スペシャル料理の立食パーティーをすると」 「料理は、すぐに用意できるのですか?」  警部の質問に、コンシェルジュは結婚式のスタッフに視線を送る。  その回答は、結婚式スタッフが持っているようだ。 「限定ディナーのイベントが来週からありまして、調理場に試作の材料も揃ってます。ですから、会場の設置と平行して行えば、三十分程度でイベントの開催は可能かと思われます」 「それ、使いましょう」  警部は、決断した。  どうも、このコンシェルジュ。少々気弱な性格のようで、注目された事で萎縮し後退りを始める。 「何ですか? どんな事でもいいですので、言ってみてください」 「いや、ですが……」 「とにかく、何でもいいので言ってみてください」
/569ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2281人が本棚に入れています
本棚に追加