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警部は苛立ちを露にし、無線で激を飛ばし続ける。
ホテル内の人々ばかりでなく、捜査員の誰からも被害者を出さない。ホテルの施設自体にも、何ら損傷を出さないで解決する。
そのつもりでいるのだ。
今回も、発見した爆弾は時限式では無く、遠隔操作式の爆弾である。だから、爆弾自体にタイムリミットは無い。言うなれば、二時がタイムリミットだ。
だが、今回も犯人側から接触が無い。
二時になったら無条件で爆発させる可能性も、視野に入れて行動するべきだろう。捜査員の撤退は、二時の十五分前。
「それまでに、全部見付けてくれよ」
警部の願いとは裏腹に、爆弾の発見は遅々として進まない。逆に、避難作戦は順調だった。ただし、心配要因も少なからずある。
午前中から結婚式を行い。既に披露宴に入っていた二組は、ホテル側からのサプライズに応じた。
そして、中庭へと移動を開始した。
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