第二章 説得

21/48
前へ
/569ページ
次へ
   警部は苛立ちを露にし、無線で激を飛ばし続ける。  ホテル内の人々ばかりでなく、捜査員の誰からも被害者を出さない。ホテルの施設自体にも、何ら損傷を出さないで解決する。  そのつもりでいるのだ。  今回も、発見した爆弾は時限式では無く、遠隔操作式の爆弾である。だから、爆弾自体にタイムリミットは無い。言うなれば、二時がタイムリミットだ。  だが、今回も犯人側から接触が無い。  二時になったら無条件で爆発させる可能性も、視野に入れて行動するべきだろう。捜査員の撤退は、二時の十五分前。 「それまでに、全部見付けてくれよ」  警部の願いとは裏腹に、爆弾の発見は遅々として進まない。逆に、避難作戦は順調だった。ただし、心配要因も少なからずある。  午前中から結婚式を行い。既に披露宴に入っていた二組は、ホテル側からのサプライズに応じた。  そして、中庭へと移動を開始した。
/569ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2281人が本棚に入れています
本棚に追加