第二章 説得

23/48
前へ
/569ページ
次へ
   やはり、犯人側のメールにあった通り。結婚式場とパーティーフロア以外に、爆弾は設置していないようだ。  現在、午後一時。  残り時間四十五分で、発見された爆弾は九個。  だが、九個目が発見されてから二十分。爆弾は、発見されないまま時間だけが過ぎている。  残り、一個じゃないのか。  新たに爆弾は、発見されていない。柴国不動産では、爆弾が十個だった。  それらの思いが、警部を筆頭に捜査員の頭にあったのか。残り一個発見出来れば、全部が回収できるという空気感に包まれ出す。 「あと、一個……」  誰かが呟いた。  心配していた五階の披露宴客たちも、ようやく中庭へと移動を開始。これで、ホテル内の一般人の安全は確保されたかに思われた。  その時、例の事務員がメールの着信に気付き声を上げる。 「あの、メールです」 「えっ?」  時間には、まだ三十分ある。
/569ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2281人が本棚に入れています
本棚に追加