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警部は、室内の捜査員に被害状況の確認を指示する。
いつまでも、茫然自失しない辺り。流石に、現場を仕切る警部である。
捜査員の案内は、伊藤が自ら買って出た。
「では、従業員用の階段から参ります」
伊藤を先頭に、ホテルのバックヤードを走り階段を使う。どこからか漏れ聞こえる悲鳴に、耳を塞ぎたくなる。それでも、伊藤は走った。
総支配人の立場から、爆破されたフロアの状況をいち早く把握。然るべき対応が、求められる状況。それは、総支配人室に残った警部も同じだった。
彼は、対応が先だったが。
待機させておいた、消防と救急を直ちに急行。各フロアにいる捜査員に、被害状況の報告をさせる。
無線を通し、イヤホンから聞こえてくるのは、混乱する現場の悲鳴と叫び声。その中で、逐一入る報告を整理していく。
先ずは、六階の状況。
従業員用のエレベーター付近が爆発。
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