第二章 説得

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            3    第二の事件の発生を、柿崎、酒口、松本の三人は捜査本部で知る事となった。  酒出警部補の捜索と、事件に向き合う説得を依頼された二人。だが、第二の事件の脅迫メールが届いたとあっては、動くに動けなくなってしまう。  そして、二時間半後。  アルファホテルの四階から六階が爆破された。  脅迫メールから爆破までの間、千葉県警は柴国不動産事件の資料を警視庁に送り。同一犯の犯行であるのかを、検証する事のに奔走する。  当然ながら、模倣犯の疑いもあった。  だが、実際に爆弾は設置されており、その爆弾は柴国事件の時と同様のものであった。火薬の成分を照合し、完全に同じものであると確定。事件は、同一犯の犯行として扱われる事になる。  柿崎は、自分を責めた。  それは、酒出の本気を引き出せないのもそうだが。酒出に頼らずとも、犯人の目星が付けられなかった事。
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