プロローグ

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「麻依、くちばし出てるよ。ガー子になってる。」 「タカ、ガー子じゃないよ。金パだからピヨ子。」 麻友と後輩のクセに呼び捨てであたしを呼ぶ今市は、あたしが考え事やふてくさると出てくる口を見て、必ず鳥扱いする。 「てゆーか、拓哉先輩も拓哉先輩だよ。 あれが原因で別れたようなもんなのに…デレちゃってさ。 ムカつく」 相談には乗ってくれるし、答えてくれる。 でも決して余計なお節介は焼かない麻友は、本人には何も言わないでいてくれる。 それが楽でいい。 「まだ割り切れないあたしが悪いから。 気にしないようにはしてるんだけど…ね。」 拓哉とは覚えてない位くだらないケンカから、ヒメちゃんの事もあってなんとなく気まずくなって 『これで連絡が来ないなら、別れたって思うから。』 なんてありがちなメールしたのをそのままスルーされて… 始めての彼氏との恋愛は2年の夏の終わりと同時にあっけなく終わりを告げた。
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