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「そうか……じゃあ俺は教室に戻るから」 「ご苦労なこった」  今日の『水瀬当番』は、溜め息を吐き屋上から去ろうとする。その際に、 「――この『水瀬当番』、効果ないよなぁ」 「全くだ」 「ひっ――――」  独り言を聞かれていたことに恐れをなしたのか、水瀬当番はそそくさと姿を消した。 「……………………」  また、屋上は静粛を取り戻す。俺が寝転んでいる場所――――大きな桜の木は少し影になっているのだが、その隙間から見える目映い程の太陽に少し目を背ける。  目を背けた先に――――人影が見えた。 「あれ、先客かな」  一人の女生徒だった。半袖のブラウスに身をつつみ、スカートは一般生徒よりか多少短いだろうか。いや、足が長いだけかもしれない。  その抜群なスタイルよりも、他に目がいくのは――――。
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