プロローグ!

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「……あと二十匹……」 相手はレベルがかなり高いオオカミ型のモンスター、フェンリルが二十匹。 前方からフェンリルが戦闘の体勢をとっている。 少女はピンクの髪の毛を耳にかけて、 チラッと後ろを振り返る。 私の後ろには断崖絶壁、そこには海が広がっている。 ただの海ではない。白い海だ。 さらに、オオカミの向こう側の森林が炎で燃え盛り、焦げた臭いと血の臭いが交わる。 今まで走ってきた道のりをもう一度通ることができるのだろうか? 風があり涼しかったが、 緊張で少女の頬を一滴の汗が流れ落ちる。 そして今フェンリルが鋭いきばで私の首を狙って走り出してきた。 自分の武器である剣で相手の攻撃を受け流し、魔法、スキルを使ってフェンリルの数を確実に減らしていく。 「――これでいける?」 最後の魔力を使いきり、最大の攻撃を放つ。 「『エクスプロージョン』!」 爆発が起こり、残っているフェンリルを火炎が襲う。 フェンリルは雄叫びをあげて、こちらに向かって走ってきている……が、 フェンリルの足がしだいに止まり力尽きて倒れる。
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