162人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あと二十匹……」
相手はレベルがかなり高いオオカミ型のモンスター、フェンリルが二十匹。
前方からフェンリルが戦闘の体勢をとっている。
少女はピンクの髪の毛を耳にかけて、
チラッと後ろを振り返る。
私の後ろには断崖絶壁、そこには海が広がっている。
ただの海ではない。白い海だ。
さらに、オオカミの向こう側の森林が炎で燃え盛り、焦げた臭いと血の臭いが交わる。
今まで走ってきた道のりをもう一度通ることができるのだろうか?
風があり涼しかったが、
緊張で少女の頬を一滴の汗が流れ落ちる。
そして今フェンリルが鋭いきばで私の首を狙って走り出してきた。
自分の武器である剣で相手の攻撃を受け流し、魔法、スキルを使ってフェンリルの数を確実に減らしていく。
「――これでいける?」
最後の魔力を使いきり、最大の攻撃を放つ。
「『エクスプロージョン』!」
爆発が起こり、残っているフェンリルを火炎が襲う。
フェンリルは雄叫びをあげて、こちらに向かって走ってきている……が、
フェンリルの足がしだいに止まり力尽きて倒れる。
最初のコメントを投稿しよう!