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「ん?」
俺は空を見上げた。
夏の星空は夕日が沈むにつれ、輝きを増している。
暑い昼間の温度が残っているため腕捲りをして、道路の隅を歩いていた俺は足を止めていた。
「どうしたジンク?星でも見えるのか?」
「いや、別にそれほどだったが、それより岳、彼女とどうなった?ニヤリ」
俺はどこにでもいそうな普通の高校三年生だ。一人暮らしのため、家の家事などは自分でやっている。
親の大変さが身に染みるように分かってきたこの頃だ。
料理にはあまり興味が無いが作れと言われれば一応作れるレベルである。
岳が俺の部屋に来て無茶なことを言い出すことが原因なのだが。
「……だからそういうところがまた!って聞いてるのか!?ジンク!」
こいつは広川 岳(ひろかわ がく)。俺の家の隣の部屋に住んでいる。家といってもマンションだがな。
今は下校途中だ。二人は同じ帰り先である自宅のマンションに向かっている。二人で住めばマンションを借りるお金が半分になるということは俺は知らなかった。
いつも……俺と同じ料理を食べてるのに。
「ごめん、なんだって?岳」
「だから、いよいよ今日だなって。あの例のゲーム。やっとプレイできる日が来たんだ。」
俺はまた聞き逃したようだ……
そんなことより今日ゲームが届く。
ゲームの名はFINAL→LIFE。
会社名は分からない。
謎に包まれたゲームだ。
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