始章

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一方夏月は、コップに一度も触っていない。 「じゃあなに、バンド部ってこと」 「少し違うな。部活動は、最低3人必要になる。そして、顧問の先生が必要だ」 全く覚えていない、先生達の顔を薄らと思い出すが、すぐに消えた。 「あと一人とセンセーナンパするっつーこと?」 「聞いてたか、話し」 「聞いてましたけど!?」 馬鹿にされたと思い、つい大声を出してしまった。 「バンドをやるんだよ。部活動じゃなくて、バンド」 「あん?だから・・・どういうことデスカ?」 軽音部に入るでもなく、バンド部を作らないどころか、部活動をやるんじゃないと言われ、頭が混乱してきた。 不思議と、ぐるぐると頭が回っている気がする。 そんな俺から目を離すと、夏月は麦茶を一気に飲み干してから、口を開いた。 「最初から言ってるじゃないか。バンドをやらないかって」 「・・・えーっ、と。趣味でってことですかネ」 「行事だ」 んな、祭りだわっしょいみたいな感じで言われても、ますますわからないんですけど。 雪はそう思った。

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