新しい出会い

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「12歳も年上だったから、嫁さんが焦っていたっていうのもあったけど、別に俺もそれでいいかなって。」 「そうなんだ・・・」 なんか、ショックだった。 好きで好きでしかたなくてっていう話が聞けると思っていたから。 それなら素直に結婚したことを祝福できたのにな。 「俺は高校卒業したばっかだったから、給料も安かったけど、嫁さんはキャリアウーマンみたいだったしな。」 「そっかぁ・・・」 なんて返していいか、わからなかった。 なんか、聞くだけムダな気がしてしまった。 高田は、お母さんが出て行ってしまって、心にぽっかりあいた穴を、12歳も年上の女性に癒してもらった。 そばにいてくれて、かいがいしく面倒を見てくれたその人は、自分から離れないように思えたのだろう。 そして、それが結婚へと結びついた。 おそらく、そういうことなんだろうな。 和人が、年上の人妻を選んでつきあうのも、こんな理由だったのだろうか。 「好きになるのに理由はない」という意見を時々耳にする。 でも、和人が選んでいるのは人妻だから、明らかに遊び目的なんだろうな。 というか、そういう性癖なんだろうね。 だんなさんに隠れて浮気している人妻を口説いたり、抱いたりすることに、興奮を感じるんだろうね。 そんな人もいるんだね、くらいに思うしかないか。 「なぁ、年下の男って、魅力あるのか?」 突然、高田にそう聞かれて、驚いてしまった。 「なんで?」 「いやぁ、おまえってさ、年下が好きなイメージあるから。」 あ~、そうだね。 つきあった人はほとんど年下だし、夫も年下だった。 「年下の魅力か~。」 とっさに聞かれると、出てこないもんだなぁ。 「若さがいいかなぁ。」 「若さ?」 「私、体力あるから、元気な人じゃなきゃイヤなのよ。」 「元気な人か~、体育会系なら、だいたい元気だろ?」 体育会系? 和人がまさしくそうですね。 「あと、結局年下だから、かわいくなっちゃって、なんかあっても許せちゃうとこかな。」 「おまえ、だから失敗すんだろ。」 「まぁ、そうかもしれないけどね。」 自分にちょっとイラついて、気がつかないうちに、私の頬が膨らんだ。 「かわいいか~。俺も、嫁さんにそう思われてたんだろうな。」
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