恋する気持ち

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和人は時々メールで言っていた。 自分には、自信がないと。 『そんなことないよ、自信持っていいのに。もっと堂々としていいんだよ。』 私はそう返信していた。 年上の女性は、そう言って、自分を認めてくれる。 だから、どうしても年上の女性がいいと言っていた。 和人の部屋に初めて行くことになった日。   場所を教えてもらって、私は仕事帰りに、車で和人の家に向かった。 私の家からは車で40分くらいの場所にある、隣町郊外に建つアパートだった。 とめてもいいと教えてもらった場所に車をとめて待っていると、和人の車が帰ってきた。 「おかえり。」 私が車から降りると、和人も車から降りてきた。 「ただいま。こっち。」 自分の部屋を指さして、歩き出した和人に、私はついていった。 2階建てアパートの角部屋が、和人の部屋だった。 築10年くらいのアパートで、2DKと広めだった。 物は少なめで、まず通された部屋には、大型テレビ、ソファ、テーブル、本棚が置いてあり、隣の部屋との間には、ふすまを取り払った跡があった。 隣の部屋にはセミダブルくらいの大きさのベットが置いてあった。 和人の部屋は、男性の部屋にしては、「まあまあ、きれい」という感じだった。 洋服は脱いだら脱ぎっぱなしの物が何枚かはあるが、部屋の端にまとまっているし、床にゴミが落ちているということもなかった。 台所を借りて、私は料理を始めた。 調味料も少ないし、フライパンや鍋も無造作に置かれていて、やはり人の家の台所は使いづらいとつくづく思った。 和人が食べたいと言った餃子を作って、二人で食べた。 男性と二人で囲む食卓は、久しぶりだった。 「うまい」と言いながら食べてくれる姿は、いつ見ても気持ちがいいものだ。 まだつきあってもいないのに、ふと、こんなふうに一緒にいられたらという期待が頭をよぎった。 何回か食事をして、ドライブをして、和人と過ごす時間が増えるにつれ、私は和人と一緒にいられる穏やかな時間が、とても大事に思えていた。 いつまでも一緒にいたくて、会ったら帰りたくなくて。 でも、私からは言えないでいた。 淡い期待だけで思ってしまうのか、それともうまくいくことなんてあるのか・・・ 何よりも、私の離婚話に決着がついていないために、私はちょっと焦っていた。 「そろそろ、帰るね。」 時計は22:30を過ぎていた。
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