甘いワナ

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恋愛したいと思っている人は、私の身近にもう1人いた。 子供が、私の子供と同じ小学校に通う、ママ友の早智子さんこと、さっちゃん。 ママ友といっても、学生時代からの友達のように、気心が知れていて、気を使わなくてもいい人だ。 さっちゃんは、だんなさんの度重なる浮気で、だんなさんを信じられなくなり、離婚することを選んでいた。 だんなさんは女性に不自由しない人で、離婚はすんなり決まった。   子供の親権も、すんなりさっちゃんがとれた。 仕事は週3日の短時間のパートくらいでも、さっちゃんの実家が大地主で、住まいにも生活にも困っていないことから、私はあんまり心配していなかった。 私からしてみれば、「なんて順調に進んでいるんでしょう」という感じだった。 私とさっちゃんは、シングルマザー同士。 といっても、私はまだ離婚できていないから、シングルマザー状態とでも言うのかな。 さっちゃんは、私と同じく、再婚したいと思っている人。 そんなわけで、仕事が休みの土日は比較的自由だし、お互いの家に子連れでお泊りすれば、飲むこともできる。 だから、一緒に出かけたり、飲んだりすることが多い。 私の仕事が忙しくて、2ヶ月ほど、ゆっくり話ができていなかった頃。 さっちゃんに異変が起こっていた。 私がそれに気がついたのは、久しぶりにうちへ泊まりに来た時だった。 私は、順調に交際できている和人の話をした。 そして、さっちゃんが話し出してすぐに、私は「ん?」と思った。 さっちゃんは、なかなか会えない男性とメールをしていた。 あまりにも世間知らずで、お嬢様で育ってしまったらしいさっちゃんは、当然会えると思っていたらしい。 「えっ? なんで?」 そのメールを信じない方がいいと言った私に、さっちゃんは、ちょっと反発気味だった。 「どうして、そのメールが始まったの?」 私が聞くと、さっちゃんは遠い記憶を呼び起こすかのように、少しずつ思い出しながら、ポツポツと話し始めた。 「メールが来て…それで、話が合いそうだから、返事してみたんだ。」 「え? なんでメールが来たの?」 「よくわからないんだけど…」 「えっ? どういうこと?」 私は、話がまったくわからなかった。 「知らない人からメールが勝手に来るってことはないでしょ?」
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