46人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、今日は『話があるから、放課後教室に来て』ってメールがあって。まさかこんなことになるとは……ね」
話しているうちに、だいぶ落ち着いて、涙も止まった。
「ほんとに……終わっちゃったのかな。私はもう、譲の彼女じゃないんだね」
最後は、自分に言い聞かせるように、そう言った。
私の話がひと段落したのを見て、ずっと黙っていた加藤くんが、「そうだな」と呟いた。
「この場合、終わったんだろうな。元サヤって言葉もあるけどさ。『他に好きな人ができた』ってときは、まずないな」
加藤くんは、冷静な表情で言い放った。
そんなにはっきり言わなくてもいいのに。
辛いよ……。
「はぁ……譲の好きな人って誰なんだろう。全く気付かなかったな」
譲と同じクラスだし、ひょっとして加藤くんなら何か知ってるかも……と思い、視線を送ってみる。
それを感じ取った加藤くんが答える。
「俺、高橋とそんな仲良くないし。他人に興味ねーから、俺も気付かなかった」
他人に興味ないって。
でもなんとなく、加藤くんならそう答える気がした。
最初のコメントを投稿しよう!