第四章 ~疑心落着~

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エルド「ん?何だ?」 パイラ「あの……、これって何なんですか?」 そう言って私は四角いキューブを指差した。 エルド「うむ。それは僕がずっと研究していた物だ…。願いを叶える力があるんだ」 パイラ「やっぱり……」 エルド「やっぱり?まぁ良い。早く貸してくれっ…」 パイラ「あの、これでエルド先生は願いたい望みがあったんですか…?」 エルド「いや、特には無い」 エルド「ただ、全人類の願いを叶えれば、世界が平和になれるんじゃないかって、そう思ったんだ」 エルド「これは一人一回までなら誰でも使える」 エルド「パイラには、何か願い事でもあるか?あったら使ってみなさい。きっと、願いを聞いてくれるぞ」 パイラ「……そっか…………そんな事を考えてたんですね……」 パイラ(きっと私の為に死んだ…そのエルド先生を救えたんだ……) パイラ「私の願いはもう叶いました」 エルド「え?本当か?何も反応してないみたいだけど…」 パイラ「いえ……。私はエルド先生を救えたんです。だから…」 エルド「パイラ…?さっきから思ってたけど君はこのキューブについて何か知っているのか?」 エルド「やっぱり、とか。僕を救えたってどういう事だ……?」 パイラ「あ、いや…気にしないで下さい…!」 パイラ「これは返します」 エルド「あ、ああ…」 パイラ「それでカリンちゃんはいつ起きるんですか?」 カリン「んん……?」 パイラ「あ、カリンちゃん…!」 エルド「カリン!やっと起きたか…!」 カリン「う…目眩が……あ、いや収まってきたわ…」 パイラ「だ、大丈夫…?」 カリン「ええ、大丈夫よ…」
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