第四章 ~疑心落着~

8/9
前へ
/109ページ
次へ
カリン「え…?何か聞こえる…」 パイラ「え?カリンちゃんどうしたの…?」 カリン「いや…何か聞こえるのよ……。明日雨が降るって、明日バスに乗るなって」 パイラ「え…?それって……」 エルド「……カリン。このキューブを使って願いを叶えなかったか…?」 カリン「いえ、何ですか?それは…」 エルド「うーむ……。意味が分からん」 カリン「まさか未来予知…?」 エルド「ふむ…。だとしてもこれを使っていないのに何故そのような能力を……」 パイラ「……もしかして…………」 エルド「ん?パイラ、やっぱり何か隠してるだろう。何を隠してるんだ?」 パイラ「………………」 私は確認するためにやり直そうと思ったんだ…。 あの時、私が透明人間になってた時……。 確かにカリンちゃんはキューブを持ってたんだ…。 もしかしてカリンちゃんはそれに願って……。 でも私は繰り返したはずだよ…? 私がリセットしても、叶えた願いは消えないの…? ……あ…。 ______ エルド「僕が開発したかったこれは、一人一回まで一度願うともう使えない……」 エルド「パイラを元に戻すには願ったものが死ぬか、また作って願うかのどちらかだ……」 エルド「ごめん……パイラ…………」 ______ 願った者が死ぬか……また願い直すか…。 そのどちらかじゃないと、叶えた願いは戻らないって事……? だとしたら……。 リセットしても願いはそのままって事……? なら繰り返しても意味無いかも……。 私は繰り返すのを止めた。 きっと、意味がないから。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加