第二層 約束

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今、確かに彼女は《寝てない》と言った。 オレの耳の三半規管や鼓膜が正常なら、間違いなくそう言ったはずだ。 だとすると─── 「アオバくん、たまにはかっこいいこと言ってくれるんだね。 何だったっけ?・・・・・・あ。君は死なない、オレが絶対──」 「あ、ああ、ああああ!やめろー!」 オレは真っ赤になった顔を隠すようにして起き上がると、 大声を出して彼女の声を無理やり掻き消した。 さっきまで膝枕でオレの顔を見ていた莉子は、 おかしそうにクスクス笑っている。 「ったく、起きてるならそう言えよな!」 「ごめんごめん。でも、ちょっと嬉しかったよ。アオバくんの言葉」 そう言って、また少し笑った。 少しの間、二人を沈黙が包む。 そして、それを破ったのは莉子の言葉だった。 「ねえ。・・・・・・本当に護ってくれる?わたしのこと」
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