プロローグ -4

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先ほどまでモブ子がいた位置にいる嘔吐した女性は、両目を包帯で巻かれていて、左腕も骨折しているのか包帯でぐるぐると巻かれている。見た目は、交通事故から奇跡的な帰還を成し遂げたそのものだが、女性から放たれるオーラで押しつぶされそうである。 「「姉さま!」」 僕とモブ子は、オリンピック選手並みのシンクロ率で跪く。 颯爽と現れ、颯爽とゲロを吐く、このお方はやばいのである。もちろん、ゲロなんて可愛いものなのです。なんなら、そのゲロまみれの足くらい軽くぺろぺろできるくらい可愛いものなのです。 普丸家長女、普丸 4姫(ふまる しき)。僕の姉にして、両親ですら跪かせるお方なのです。 この前、僕の専属メイドさんが、気づいたら2階級特進してました。 「あらあら、ぐてええい。それにモブちゃああん。お客様の前で少し騒がしいんじゃなくて?」 「「おっしゃる通りです!!」」 変な汗が止まらない。僕だけでない。横目で確認すると、モブ子や鎖でつながれた彼女まで震えている。 僕らは心臓を鷲づかみされていた。
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