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「ふう」
嵐に似たものが去り、その事後処理を終えた僕は、元の状態に戻った部屋を見回す。
白を基調とした部屋は、広さにして30畳くらいはある。
上を見ればシャンデリアがぶら下がっている。
そのシャンデリアの神々しさとは裏腹に、部屋は薄暗い。
目線を上から奥へと向けると、鎖で両手両足をつながれた彩華がいる。
「…う、うん…ここ…どこ?」
まだ覚醒しきってない様子で、辺りを見回す彩華。
「彩華、目は覚めた?」
「流雨塗君…やっぱり夢じゃないんだね?」
どこか諦めにも似た言葉だった。
「そうだよ、これは夢ではないし、ドッキリでもない。そう僕は君を調教する」
「何なの!?調教って!?さっきの子も調教師とか言ってたし、漫画じゃないのよ!?わかってるの流雨塗君!?犯罪なんだよ!」
「彩華は普丸人材派遣会社って知ってるかな?」
「話をそらさないで!」
怒りをぶつける彩華を無視する僕。
「帝国屈指の大企業のひとつ。あれは僕の父が経営する会社なんだ」
「だからって何しても犯罪だって黙認されるわけないじゃない!」
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