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「確かに普通なら捕まるね」
かの有名なアイドルでさえ、世間に全裸王子として崇め奉られたのだ。
「なら!今ならまだ私は、警察にも言わないし、許すからね?」
「でも、それは普通ならの話だよ彩華」
「何言ってるの流雨塗君!どんなすごい会社でも、ほ、ほら帝国の警察ってすごいんだよ!?」
「その警察や政府までが味方だとしたら?」
「そんなわけ…嘘だよ、ね?」
流れる水のようにすらすらと出ていた説得の言葉も詰まらせてしまう彩華。
「嘘じゃないんだよ。嘘なのは普丸人材派遣会社のほうなのかもしれない。あれはいわば世間体みたいなものなんだ」
「僕ら一族は、調教師として様々な人間を調教し、それを提供している。それが本来の普丸家の姿なんだ」
「この帝国では人身売買なんてありえないことだと思ってた?海外や、大昔の話だと思ってた?残念ながら、それは違う。こんな平和ボケしているのは見せかけの偽物なんだから」
「僕らは平然と売り飛ばし、それを喜んで買い付ける。そんな需要と供給が成り立つ世界なんだここは」
僕の言葉に膝をつく彩華には、気力というものが感じられなかった。
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