プロローグ -5

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つまり! こんな普通な顔して、髪の色も普通に黒くて、かといってオシャレヘアーでもない!普通とネットで調べたら一番上に出てくる僕! そう!僕、普丸 流雨塗(ふまる るうと)にも、彼女が出来てしまい! リア充になったのだ! そう彼女が出来れば、この普通でも、リア充になれるのさ! 「おーい普丸。急に立ち上がるな、授業中だぞ」 「あはは。すいません」 クスクスと僕を笑うモブたちの声が聞こえる中、僕はジャージにシャツをインスタイルの残念系イケメン教師の言葉に従い席に着いた。 どうやら夢中になりすぎて、席を立っていたらしい。 今はまだ授業中であることを、すっかり忘れていた。 また授業が再開される。 黒板に書かれるチョークの独特な音と、残念系イケメン教師、略して残尿の声が聞こえてくる。 けれど、今日の僕の耳には入ってこない。 県内でも有数の新学校である二子西高等学校。 2-8、特進クラス。その窓側の一番後ろの席を陣取るのが僕だ。 ニコニコという愛称で呼ばれる、二子西高等学校。 この学校が新学校と呼ばれるのは、この8組の進学クラスの存在である。 つまり、全国的にもレベルの高い、とても有難いお話をしてくれてるのだが、僕は終了の鐘が鳴るまで、グラウンドでサッカーに励む生徒を見続けていた。
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