時間と空間

∫異端∫

所と時間が変わって…

タッタッタッ❗

「ハァ…ハァ…❗」

薄暗い細道を息を上げながら走る女性。その背後では

ザッザッザッ‼

複数の男達がその女性を追い掛けていた。手にはナイフを持っていた

(どうしよう…このままじゃ、捕まる。嫌だ❗捕まりたくない❗捕まりたくないよ‼)

女性は必死に逃げていた。だが、相手は自分よりも筋力も体力もある鍛えられた者ばかり。ジリジリと距離を縮められていた

諦めたくは無い。しかし現実で考えると、もはや体力の無断使い。頭の何処かで楽になろうと考えていたその時

(ん？)

目の前にて、何やら小さな物体が動いているのが目に入った。それを良く見てみると

クイクイっ

それは自分に向かって手招きをしていた。見ると女の子のようだ。どうやら、助けてくれるようだ。だが、その女の子は

どう見ても“この世界の生物”とは異なっていた

(あれってまさか、奴らの“実験体”⁉あっ、でも間違いなく私を助けようとしてくれてる)

女性は戸惑いながらも、先ずこの状況を打開する事が先決と考え、女の子を信じる事にした

女性は女の子に近寄ってみると

「お姉さん、こっちだよ。こっちに来れば安心だよ」

やはり女の子は女性を助ける為に手招きをしていたようだ。女性は女の子に従い着いていく。丁度男達の視界から避けるように曲がると別れ道があり、その内１つの道の壁に１つの穴道があった

「ここを通れば撒けるよ」

「い、急ぎましょう‼」

女の子と女性は男達が来る前に迅速に穴の中に入った。そして

「む、どっちだ…」

「手分けして探すぞ」

男達の声がすぐ傍で聞こえた。暫くすると、散っていく足音が耳に入り、段々と小さくなっていった