自覚したく無い

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「………飯」 買いに行くか。丁度近くにコンビニあるし。 かるくジャージを着て家を出る。 何食うかな…普通にご飯類でいいか。 適当に手に持って弁当をカゴにいれレジに持ってく。会計も済ましてコンビニを出たら、 「くそっ…この野郎!」 「ぜってぇー逃がすんじゃねえぞ!」 喧嘩か?一体どこが喧嘩してるんだよ。 「ああ…もう。うざいよお前ら…」 かなりドスのきいた低い声だが、声の主がはっきりと頭に浮かぶ。 織乃田! 声のする方へ走って行くと、何人かの男に囲まれ、真ん中に筑泉の制服を着た男が襲いかかる男達を殴り飛ばしたり蹴ったり、攻撃をかわしたりして、圧勝に近い喧嘩をしていた。 やっぱりあれは織乃田だ。昼間みたあのボーッとした感じは無く、目もはっきり開いていて、まるで獲物を逃がさない鷹の目…動きの一つ一つが俊敏で驚く程にはやい。 ただ一言、強い。 俺はそう思った。 「まだまだだー!」 倒しても倒しても起き上がってくる連中に嫌気が差してきたらしい織乃田は、ついにキレた。 「あ゙ー!うぜぇ!早く終わらしてぇのにしつこいんだよ!あ゙!? また喧嘩して俺がまた啓星を倒したってなったらめんどくせえんだよ!だから手加減してるっつーのに!ざけんなてめぇら!」 散々怒鳴り散らした織乃田は一人ずつ、確実に仕留めていった。それは一瞬の出来事で、霧島も驚いた。 あいつでもあんな怒るのか…つかこいつら啓星かよ。 .
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