自覚したく無い

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家に入って織乃田をリビングに向かわせる。 「そこら辺適当に座っとけ。薬箱持ってくる」 「あ…悪ぃ…」 織乃田は言われたまま、ソファの近くに座り、ブレザーを脱いで、その下に着ていたニットの腕を捲った。 暫くして霧島がかえってきて織乃田の前に座る。 「ほら、傷見せろ」 「はい」 消毒を綿に濡らして、傷口にぽんぽんとあてると、織乃田から短い声が出る。 「…………んっ…」 「あ…ごめん」 「いや、大丈夫」 今度はすごいしみたらしく、肩をビクつかせた。 「…いっ…う…」 その時、織乃田の顔が少し痛みに変わって目をぎゅっと瞑った。 それを見た霧島は胸の鼓動が高鳴って妙な脈打ちを始めた。 心臓がうるせぇ…男に反応すんな…。確かにちょっとエロいんだけどよ…肌綺麗だし。 だから何で俺はまた…! 「ごめん霧島、せっかく手当てしてもらってんのに…」 「あ?あ…あぁ、次口の端な。」 絆創膏を取り出して、絆創膏を貼る。すると、織乃田がジッと見てる事に気付くと、 「霧島って、男らしい顔してたんだな…」 .
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