序章

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時は西暦30××年。男女平等であった平成から900年あまりたった今、それは幻と化している。 古く男性が中心の社会があった。しかし今は、そのしっぺ返しとも言える女性社会となっているのだ。 その一番の原因は長年続いた不況を一変させ、有財国へといざなった現女首相 実形 乃ノ葉(みなり ののは)だろう。 貧富の差は彼女のおかげでなくなったが、環境保全を公約とした彼女の政治は、 エアコンの使用温度に限度を付け、守らなければ罰金を取るという厳しいものであった。 それに、女性中心となった社会では、「主夫」になる男性が急増し、代わりに今まで男性中心だった 仕事に全て女性が就くという異例の事態となってしまた。 戸主も女性。恋人をつくってはならない。もし付き合うならば、婚約者として付き合わなければなら ない。 しかも相手は女性が決めるという、なんとも男性には生きにくい社会が形成されてしまった。 いや、しかし。この状況が変わる日は刻一刻と近づいていた。ただ、これから新しい日本を建国して いく6人の若者のことを、まだ誰も知らないだけであって・・・・。
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