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…って、何を考えているんだ俺は。自分なんてどうでもいいんだ。自分なんて。ゆうりくんさえ、自傷しなくなってくれればそれだけで。 そんなことを考えていれば、ゆうりくんの名前が呼ばれた。早く病院を出よう。いつまでもここにいたら、自分が自分じゃなくなってしまいそうだ。会計を済ませゆうりくんを背負った俺は、足早に病院から立ち去った。 耳元で聴こえる、小さな小さな可愛らしい寝息。今日は俺の家に寝せよう…学校帰りに病院に行ったから、既に夕日が沈もうとしていた。どうせ明日は休みだ。 《ゆうりくんが眠っている時も横にいると約束したから》そんなのただの言い訳で。本当はゆうりくんを離したくない、…俺のわがままだ。
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