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「もっと…自分を大事にして良いんだよ…」
何でか分からない。涙がポタポタとこぼれ落ちる。ゆうりくん、眠っていて良かった。俺が泣いている姿を見たら、きっと君はまた言うだろう?ごめんなさい、と。
ーーー
それから暫く経って、ゆうりくんは目を覚ました。
「ゆうりくん、分かる?」
まだ、薬が抜けきっていないらしく、ぎゅっと手を握ってそう問いかけてもぴくりと指が動くだけだった。
何か食べれるかな…
水とゼリー、持ってきたけどどうだろう。ゆうりくんの上半身を起こしてコップを口につけた。ゆっくり、ゆっくりと唇が動いて、喉仏が上下に揺れた。何とか食べれるみたいだ。コトンっ…とコップをテーブルに置いて、ゼリーを一口、スプーンで掬って口の中に流し込んだ。口の動きが止まったのを確認して何度かその行為を行うと、ゆうりくんは口を開かなくなった。もう大丈夫、そういうことだろう。
それから身体を横に戻して、布団の上から胸辺りをポンポンとリズム良く優しく叩いていると、次第にゆうりくんの目は閉じられ再び夢の中へと入っていった様だった。
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