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数日後の学校帰り、いつものようにあの場所へ来た。ゆうりくんは首を下に傾けていた。普通に眠っているのかと近づくと、彼の顎からは透明の雫が零れ落ちていた。
彼は眠りながら泣いていた。
「ゆうりくん…?」
そっと肩を押して濡れた頬を拭いていれば、彼はゆっくりと目を開いた。俺を捕らえた瞳からは再びポタポタと涙が落ちる。
「ゆうりくんどうしたの…?」
ふわりと彼は俺に抱きついて、首に腕を回した。またあのもう一人のゆうりくんが出てきたわけではなさそうだ。
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