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「ゆうりくん」
家を出る少し前、額のタオルを交換しながらゆうりくんを起こした。俺も休めれば良いんだけど、今日に限ってどうしてもやらなければいけない課題が残っていた。
「ゆと、くん…」
「熱、下がんないから今日は休んで身体休めな?先生には俺が言っとくから」
「ゆとくんは…?」
「…課題、残ってて…」
「そっ、か…」
「でも、いつでも連絡して?絶対、絶対出るから。遠慮はなし。ね?」
そう言えば彼は微笑んだ。昨日の事は、覚えているんだろうか。どっちだっていいか、彼はこうして笑ってくれているんだから。たとえ、偽りの笑顔だとしても。
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