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「そういう事になるのかなあ。
父さんが言うには、曾祖父ちゃんが撮影用の列車を運転したんだって」
そう言って少し得意そうに笑う温子。草軽電気鉄道は温子や友美が生まれるずっとずっと前に廃止された鉄道であるだけに、その分だけ未知の鉄道に対する憧れが強いのだろう。
やがて友美が少し息を荒くしながら口を開いた。
「アッコ、もちろんアルバム持って来てるよね!」
「馬かアンタは…」
そう言って苦笑しつつ、友美をドウドウと宥める温子。
人参を持って来なかったのが惜しまれる程、友美の鼻息は荒い。
そんな様に苦笑しつつ、温子は言葉を続けた。
「そんなにがっつかないのともやんは。
もちろんいつものだけじゃないよ?
身内以外には本邦初公開の、トヨじいちゃんの形見のアルバムもあるんだから。
それと、廃止時従業員に配られた記念アルバムも特別に…」
「見せて!
今見せて今見せてアッコ!
ちょっとだけでいいからお願い、この通りっ!」
温子の言葉を遮っただけでなく、合掌までして温子に頼み込む友美。
いわばそれほど草軽電気鉄道の写真が見たい訳なのだが、友美にとって温子の返事は実につれないものであった。
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