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珍妙なのはそれだけではない。
車内には食堂車用のテーブルと椅子が四セットだけ備えられてはいるのだが、本来他のテーブルと椅子や厨房があるべき場所に、パンタグラフの模型や電気機関車の模擬運転台まで備えられているのだ。
そんな摩訶不思議な客車の胴体中央には、どのような意味があるのか『・』という記号と、オシ17XXXXという形式番号とが、青い車体によく映える白ペンキにて描かれていた。
「食堂車というよりもお弁当車みたいです」
見学用の簡素なホームに上り、オシ17の車内を覗き込みながらくるみ。
するとまず深雪が、続いて千香が口を開いた。
「これは食堂車を改造した教習車ですね。
こちらに展示される際に、表記だけ食堂車に戻したのだと思います」
「・の記号は、碓氷峠通過可能な客車や貨車に描かれる記号です」
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