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「…達哉君…
奥山さんまさか…」
「うん…
多分アレだよ三咲ちゃん」
小声で言葉を交わす達哉と三咲。二人の脳裏には今、初めて鉄道研究部の部室を訪れた時に見た光景が蘇っている。
奥山一也はあの時、段ボール箱に入ったまま熟睡していたのだ。
軽便鉄道の機関車故に、デキ12形機関車の運転室は物凄く狭い。
おそらく一也は好奇心から運転室に入り込み、幾つかの偶然が重なってそのまま寝てしまったのかもしれない…
その話題は勘弁してくれと言わんばかりの一也の表情から、達哉も三咲もその仮説に自信を持つのであった。
「まあまあ大谷さん」
そう言って一也に助け舟を出す美千。こうでなくては名誉部長など到底務まらない。
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