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その遊歩道がアプトの道と命名された由来は、かつてアプト式の線路が敷かれていた線路跡を遊歩道として活用しているからである。
かつてED42形電気機関車がロッドをガチャガチャと賑やかに響かせながら上り下りしていた道を、一式翁は靴音をスタスタと響かせながら上って行く。
やがて20分程アプトの道を歩いた一式翁の目には、煉瓦で造られた趣のあるニ棟の建物が映し出された。
一式翁の記憶が正しければ、その建物はかつて変電所であった筈である。
ただその外観は、どちらも一式翁の記憶にあるより遥かにキレイな建物に変貌していた。
まるで建てられてからまだほんの数年程しか過ぎていないかのように…
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