The last hope

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 俺は寝る間も惜しんでひたすらクリアを目指してこのゲームをプレイし続けた。  ゲーム開始から一週間、食事も満足に取らず、ほとんどぶっ続けでゲームに没頭したせいか、60キロ以上あった体重はみるみる落ち、今やせいぜい50キロちょっとしかないだろう。  寝不足が祟って、目の下には大きなクマが広がり、頬もいくぶんかこけてきた。  生気の抜け殻のような状態にありながら、ただ唯一、目にかかるほど伸びた真っ黒な髪の下でゲーム画面を凝視する瞳だけが強い光を宿していた。  親父にはその目が気に食わないといって幼少の頃は何度も殴られた。  俺だって自分の目つきが悪い事ぐらい嫌って程自覚している。  普通にしているつもりでも、街を歩けば不良達に絡まれる。  チラッと目が合っただけの女の子がごめんなさいと叫びながら逃げて行くなんて事は、日常茶飯事レベルで起こる。  だがそんな俺でも妹の柚葉だけは優しい目だと言ってくれた。  その甲斐あってか、理解力のある友達にも何人か巡り合えた。  感謝してもしきれない程の恩がある。  俺は今ある二つの目的を達する為だけに、一縷の望みをかけてこの『ラストホープ』をプレイしている。
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