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「やっぱお前、アホだわ」
「な、なんでよ」
盛大な溜め息が落とされたと思うと、律は頭を抱えながら染々言うから、弱々しくもそう抵抗する。
「大体、メイクなんか、して当たり前だっつーの。どーせお前のことだから?ファンデとマスカラ塗って終わりだろ。アイシャドウやチークなんて芸当、持ってないもんな。眉毛の手入れすらしてねぇし」
息もつかせず、捲し立てるように言う律。
その勢いに呆気にとられながら、とりあえず無法地帯な眉毛を手で隠す。
それにしても、全くその通りにぴしゃりと言い当てられてしまったから、返す言葉もない。
「大体、合コンの勝負服に“いまむら”で3980円のワンピって。いや、可愛く着こなせて似合ってるならいい。だけどお前、あれだろ?そこに掛かってるワンピースだろ?ダサい。似合わない。体型カバーに選んだんだろうけど、シルエットが緩すぎて逆に太って見える。最悪じゃん」
いちいち胸に突き刺さることを、律は遠慮なしにズバズバと言うから、さすがの私もいじけたくなる。
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