1950人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
「サチだって、きちんと化粧して、ちゃんと着飾ったら、それなりに可愛く見えるよ。多分、きっと」
「全っ然、フォローになってない」
むしろ嫌みにしか聞こえなくて、思いきり律を睨み付けると、まるでいたずらが見つかった子供みたいな顔をして、律は笑った。
「まあまあ、そのうちサチにもいい人が現れるって。案外、近くにいるかもよ?」
案外、近くに……?
そう問い返す目線が、律の私を見るそれとぶつかって、見つめあう格好になると、途端に心臓が騒がしくなった。
改めてまじまじとその顔を見ると、律は女の私よりもずっと、女の子らしい可愛い顔をしている。
白い肌はきめ細かくて、睫毛は私よりもずっと長い。
最初のコメントを投稿しよう!