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翌日、僕は同じ桜の木の下にいた、一人で。 なにも彼女に会いたくて来ている訳ではない。教室には無い静けさを求めた結果だ。 やはり昨日と同じように弁当を広げていると、程なくして弁当に影が掛かった。 来たか。と顔を上げると別人だった。 なんだ、違うのか 再び弁当に目を落とし、手を動かす。 「その緑の校章、一年生ね。何組」 答える義務は無い 「名前は」 我輩は猫である。とでも答えてやろうか 「なぜ、ここで食べているの」 最後の一口を口に入れ、少なめに作った弁当を片付ける。
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