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カサ、カサッと葉が擦れあう音が辺りに響けばその姿が浮き彫りになる。
鼠などの小動物が足元を駆けずり回るが、その生き物は目もくれず双眼に映る光景を息を潜めるかのように捉えて離さない。
「おろかだ……。実に愚かな生き物よ……。人間という生き物は」
後方から歩み寄る生き物は、こぼれ出すように口を開いたが、垣間見えたその牙は鋭さも窺えた。
生い茂る木々。
山々に囲まれるこの聖地には、太陽の陽射しはない。
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