ドキドキ

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 今日も暑い。暑い日差しの下、私は、タンクトップにハーフパンツに、皮のブレスレットをして、風ちゃんを待っていた。 風ちゃんからの電話で、待ち合わせ時間の事と図書館の前で待っててと言われ、その時間に間に合うように家を出ていた。しかし、その待ち合わせの時間になっても、風ちゃんが現れない。  「明日は絶対早く行くから」と、電話で言っていた。でも、寝坊してるのかもしれない。いつものことだし。私はカバンからMP3プレイヤーを取り出して、お気に入りの曲を聴こうとした。  「琴ちゃん、ごめん、親と喧嘩して遅くなっちゃった。はい、お詫びの飲み物」 私は、素直に飲み物を受けとった。風ちゃんは急いで来たのだろう。息を切らしていた。もらった飲み物は、炭酸だった。  「風ちゃん、炭酸だから後でもらうね。走った時に振られてるでしょ?」私はそう言って、カバンに飲み物を入れた。  「あっ、なんかごめん。飲み物を買ってる時に時計を見たら、約束の時間がかなり過ぎてた事に慌てちゃって」息を切らしながら喋っている風ちゃんは、胸に手を当てていた。  図書館から駅に向かい、バス停からショッピングモール直通のバスに乗った。風ちゃんの今日の買い物は、服と雑貨だそうだ。私はというと、特に買いたいものがない。とりあえず、あのカメラと昼食代、そして、淡い黄色のショルダーバックだけを持ってきていた。
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