ドキドキ

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 バスの中では、夏休みの時にどんな事をしてたとか、宿題はどのくらいの期間で終わったとか、他愛もない話でショッピングモールに着くまでの時間を過ごした。    風ちゃんの話は面白い。話を聞いてると、小学生の男子がしてそうなことを琴ちゃんが実践している話だからだ。例えば、風ちゃんが家に一人でいた時、毎日暑くて、スカートを穿いたまま扇風機の前に立っていた。  当然スカートがヒラヒラして、ちょっと恥ずかしい格好になっている状態で立っていた。それがとても涼しかったらしく、そのままテレビを見ていた。 そして、その恰好を、高学年の弟に見られたという話で、その時はおかしくて本当に大声でバスの中で笑っていた。他にも色々な話を聞いたけど、とにかく羞恥心が足りないんじゃないかなと思うような話ばかりでだった。 私は、夏休みはこれといった事をしてなくて、風ちゃんに話せることがなかった。そして、風ちゃんの話が終わった頃にバスがショッピングモールに着いた。 私達はバスを降りた。目の前にはショッピングモールの大きな入口が広がっていた。扉は開かれている状態だった。私達は入口に向かって歩き出した。しかし、歩き出した先に、カメラに写っていた男性が立っていた。
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