俺のカメラと、女子高生

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 カメラをなくした俺は、とにかくショックだった。大学に入ってから初めての アルバイト代をうまくやりくりをして貯めていったお金で、デジタルカメラを買った。しかもデジタルレフカメラ。 俺はカメラに関しては知識がなかった。説明書を読んでから知った事、景色に対しての画質のオート設定や、ポートレートとかっていう言葉で、だからどうしたの?という感じだった。 他にも、様々な言葉が散りばめられ、カメラに関わる言葉を、ネットで調べて勉強しようかなと考えていた矢先の出来事だった。 「せっかく貯めて買ったのに」 「サンキュー華絵。まぁ元気出せよ。ほら、コーヒー」  今日は友人が俺を気分転換に連れ出してくれた。大村 華絵(おおむら はなえ)幼馴染で、喋り方が男っぽい。容姿は女なだけに、この喋り方とのギャップがすごい。顔はカワイイ方だ。だが、華絵が怒った時の怖さはレディースの総長を連想させる。でも、華絵が怒ることは滅多にない。  「華絵、ありがとうな」  「えっ、なんだよ急に」  「華絵は最近の元気のない俺を見て、俺を気分転換に連れ出してくれたんだろ?」  「いや、お前が元気じゃないのは、今言われて気付いた。私はいつも通りお前に買い物に付き合ってもらいたかっただけだよ」  雑用か・・・やっぱりな。俺はいつからか、華絵のパシリになっていた。  「まぁ、いいけどさっ」  「まぁ、そんな風に言うなよ。飯奢るからよ」そんなことでもない限り、俺としては損だ。しかも、今日がお礼を貰う初めての日かもしれない。
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