ヒトメボレ

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 「ごめんごめん、いつもの癖でついね。でも本当暑いね」 そんなやり取りをしながら、やっと見えてきた校門に歩いていった。  教室に入った私は風ちゃんと別れた。さすがに腐れ縁でも教室までは一緒にはなっていない。    私は、いつもの席に座る。見慣れた黒板と、クラスメイト。今日からまた、学校生活という、拘束された時間が始まる。とにかく、暑い日が続くだけで、朝起きるのが嫌になる。 「皆、席に着け」  先生が教室に入ってきた。ホームルームが始まる。 「今日は夏休みの課題のテストだ。今日一日で終わるテストだから、暑さに負けず、自分にも負けず、ベストを尽くしてくれ」  宮沢賢治かよ~なんて、男子生徒から突っ込まれている担任の先生。 このやり取りも、私達の、いつもどおりのテストを受ける私達への激励だ。    テストが終わり、私は教室でクラスメイトと海の話をしていた。 海で食べたスイカが尾花沢のスイカだったとか、水着が外れて恥ずかしかったとか、とにかく、各々(おのおの)で夏休みを満喫したようだ。  テストは、まぁ、分からないといった部分はなく、暑さに負けた夏休みではあったけど、普通に課題を勉強していた分の結果がテストに出たんだと思う。
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