ヒトメボレ

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 ガラガラ~と教室の入り口が開く音がして、私の所に近づく、いつものあの足音がした。 「琴ちゃーん」  風ちゃんの声のトーンが低い。テストがうまく解けなかった感が丸出しだ。 「風ちゃん、テストおつかれ。どうだった?」 風ちゃんは、元気のない顔で私をみた。 「可も無く不可もなくって感じかな。それよりも・・・お腹すいたよ~」  どうやら弁当を忘れたようだ。今日は購買が休みで、何も校内では買えない。 「風ちゃん、コンビニ行こうか。私も甘いもの欲しいし」  話をしていたクラスメイトに、また明日と言い、私と風ちゃんは教室を出た。 風ちゃんの歩くスピードはいつもよりも遅かった。  私達はコンビニに向かって歩いていた。私達の体を、夏のぬるい風が体を通り抜ける。その風に琴都音はため息をついた。それと同時に足元に落ちていたデジカメに気付いた。 「高そうなカメラだねぇ。警察に届けよう」  風ちゃんはごく普通なことを言った。でも、私はなんとなく拾ったカメラの電源を入れてみた。撮られた写真を見てみる。その写真には男性が自分撮りをしている写真が何枚かあった。    それ以外にも、川でバーベキューをしている写真や、春夏秋冬の風景の写真が入っていた。私は、その写真を見続けた。写真の事は分からないけど、このカメラで切り取られた風景に魅了されていた。そして、その風景の写真のいくつかに、景色をバックに男性が一人で映っている写真があった。  
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