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部屋に戻った私は、とりあえずパジャマに着替えた。シンプルな黒い無地の寝巻き。普段はこんなことは思わないのだが、今の私の気分に合っていない様な気がした。
またカメラを手に取る。男性がが写っている画像を探す。男性の画像を見つけてじーっと見つめていると、胸がドキドキする。そういえば明日は土曜日。彼を探しに行ってみようかと考えてしまう。
しかし、明日は、風ちゃんと買い物に行く約束があった。
買い物なんか夏休み中にしてくれればよかったのに。学校が始まってからだと時間に余裕があるわけではないのに。
そんなことを考えながら、私はカメラに目を戻す。カメラの中の男性を、またじっと見つめる。この男性はどんな声で、どんな喋り方で、どこに住んでいるんだろう。そして、夏休み中に、このカメラを見つけていれば、学校の事なんか気にしないで、男性の事を探しに行けたのに。私は男性に夢中だった。
まぁ、せっかく風ちゃんと久しぶりの買い物だし、土曜日は買い物を楽しもうと考え直した。
しかし、買い物に行った場所で、このカメラの、本来の持ち主と会うことになるなんて、予想もしていなかった。
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