No.2

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強く降る雨は体温を奪うどころか、自分一人しかいないという孤独をも生み出していく。 どくどくと溢れててくる真っ赤な血。 傷を押さえても止まることはない。 逃げ込んだ路地裏の破屋の壁にもたれこみながら力つきてそのままズルズルと座り込んだ。 (くそっ……止まらねぇ……) 手についた赤い血は痛みと共に溢れ出てくるばかり。 歯をくいしばって傷口を見る。 深く刺されたナイフの跡のようなもの。 ここまで深かければ塞ぐことはまずありえない。 待っているのはー……死のみ。 (死にたくねぇ……。なんてな……) 髪から垂れてくる水滴を見つめながら、ふっと笑った。 今までの自分の行動が全て返ってきた。 そう思うと、なにか吹っ切れるような気がした。 (ただ無実を証明してぇだけだったのに……) 「くっ…………」 傷がびりびりと痛みだしてくる。 (どんだけのスピトアルなんだよ) 悪に染まりつつある超能力者ースピトアル。 待ち伏せしてたかのようにいきなり現れた鋭い黒いかたまり。 それは、見事に右腹を貫いていった。 (俺もまだまだ力ねぇな~……) か細い呼吸になりつつも生きたいと強く願う。 大きく息をしようとするが、そんな力もなくなっていく。 目がかすみ始める。 (……もう終わりか……) 意識がどんどんと遠のいていく。 雨はいっそうと激しさを増していく。 一粒の涙を流しそのまま意識を失った……。 …end。
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